前回の記事で
内向型の一般的な定義について触れました。

内向型は社交によって疲弊(エネルギーを消費)し、
一人でいることにより回復(エネルギーを充電)する傾向にある
私は、なぜ社交が“疲れる”につながるのだろう?と疑問に思いました。
ハンスが研究したように脳の仕組みによって社交が疲れるのなら、それは一体どんな仕組みなのか。
そんな興味から複数の本や記事を読んで、私なりに理解できたことを皆さんと共有したいと思います。
※今回の記事では専門用語を使わずに説明します。
より専門的な内容については次回の記事で書いていく予定です。
内向型が疲れるのは○○を○○しているから
内向型の疲弊の原因は社交だけでなく
・慣れない場所や初めての場所に行く
・人混み
・人の話し声
・視線の多い場所
・同時に複数の作業を行わなければいけない状況
こんな場面も該当します。
このような場面で内向型に何が起こっているのか?
それは「外から入ってくる刺激の処理」です。
社交そのものではなく社交という行動を通して受ける刺激を処理しているから疲れるのだと知りました。
慣れない場所や新しい場所、人混みも同じように刺激であり
それを処理しようとした結果として脳が疲れてしまうらしいのです。
ここで疑問がわく方もいらっしゃるかと思います。
じゃあ外向型は疲れないのか?
外向型はこの刺激をどう処理しているのか?
その違いを見ていきましょう。
外向型は疲れないのか?
内向型は刺激を受けると脳がそれを処理しようとします。
これが脳への負荷となり疲弊に繋がります。
一方外向型にとって刺激は報酬であり、もっと欲しいと感じるのだそうです。
心理学では「報酬」という言葉が使われますが、私は少し分かりにくいと感じました。
「ご褒美」とか「ワクワクするもの」などと表現したほうが分かりやすいかもしれません。
例えば、外向型はパーティーのような社交の場面で
「どんな人がいるんだろう」
「新しい友達ができるかもしれない」
「これが新しい何かに繋がるかもしれない」
「新しい発見があるかもしれない」
という可能性を感じて、ワクワクしたポジティブな感情を抱く傾向にあります。

その結果、他の参加者に積極的に話しかけに行ったり、自分の話をしたり、などの外向的な行動に出るのだそうです。
彼らにとってはこういった刺激がエネルギーの源になるため疲れにくい、むしろもっと元気になるという研究結果が出ているようです。
反対に内向型は、部屋を埋める人の数がまず刺激となり、誰とどんなことを話すべきか考えることが脳の負荷となり、会話を続けるために脳をフル回転させ、いずれエネルギーを使い果たしてしまいます。
外向型と正反対ですね。
こういった書き方をすると、だから内向型は社交が苦手なのか!と思われてしまうかもしれません。
内向型の中にも社交が得意で好きな人は勿論います。
外向型と同じように楽しいと感じる一方で、疲れやすい点が外向型との違いなのです。
違いは脳の仕組みにあった
刺激によって疲れやすい内向型、
刺激によって元気になる外向型、
この違いはどこに潜んでいるのか。
それは、“報酬への敏感さ”に関わる脳構造(眼窩前頭皮質)の大きさの違いによって区別できるのだそうです。
外向型は生まれつきこの脳構造が内向型より大きい傾向にあり、刺激全般(お金や地位、評判・評価、食べ物、人気者であること、社交など)を報酬とみなしやすいそうです。
その結果、報酬を追い求めるために社交したり外に出たり、新たなことに挑戦したりなど、外向的な行動を取る傾向があります。
反対に内向型はこの脳構造が外向型より小さく、刺激を報酬ではなく処理しなければいけない負担として感じやすいのだそうです。
また内向型の脳は安静時ですらフル回転しているため、これ以上負担にならないよう外部からの刺激を制限しようとしているのではないかという研究結果もあるようです。
もちろん内向型も外向型と同じようにお金や地位などを報酬として感じますが、外向型ほど強くはない場合が多く、それよりも“内側の満足感”に強く反応する傾向があります。
ユングが提唱していたように、内向型は関心やエネルギーが内側に向いています。
つまり、自分一人で何かに没頭しているとき、
自分の世界に浸っている時、
心を許せる人たちと会話しているとき、
刺激のない静かな時間などが
私たち内向型に必要なものであり、欲してしまうものなのです。

転職を例にすると分かりやすいです。
外向型は給与や待遇、新しい環境、変化、競争のような外的な刺激に対して
脳の報酬系が反応しやすい傾向にあります。
そのため「給料が上がるなら転職したい」
「もっと大きな環境で働きたい」
「今より良い役職を得られる場所で働きたい」
という動機が自然と生まれやすいです。
反対に内向型は、外向型が報酬と感じる事柄を報酬と感じにくい傾向にあります。
そして興味、意味・意義、自分のペース、集中、こうした内的なものを求める傾向にあり、刺激を受けずに穏やかでいることを好みます。
このことから
「給料よりも自分に合う仕事がしたい」
「意味のあることに時間を使いたい」
という動機が生まれやすいです。
ここで注意してほしいのが、
内向型=お金に興味がない
外向型=やりたいことに興味がない
ではないということです。
どちらも両方に興味はあります。
ただ、
・どちらをより強く報酬として感じやすいか
・どちらにより動かされやすいか
が異なるだけなのです。
自分を知ることは自分らしく生きるための第一歩
簡単ではありますが、
内向型と外向型は脳の仕組みが異なることを説明しました。
性格ではなく、脳の仕組みです。
あなたがどれだけ変えようと努力してもなかなか変えられるものではありませんし、変える必要は全くありません。
内向型という概念や脳の仕組みを知らなかった頃の私は、
営業に近い仕事をしたり、友達を作ろうと無理に明るく振る舞ったり
脳が求めることの正反対な行動ばかりしていました。
けれども今は自分の気質を理解して、脳を疲れさせない自分らしい、穏やかな生き方を模索しています。
自分の気質を知ることは、自分らしく生きるための第一歩です。
内向型の方々には、どうか
外向型になろうとする必要がないことを知ってほしいです。
そして内向的であるというあなたの素晴らしい気質を最大限に生かして
自分らしい生き方を見つけてほしい、その手助けができたらと願うばかりです。


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